私はずっと許されていたのだ。
『かなたの子』 角田光代
脈々と続く生のお話。
短編集だけれど、テーマは統一されています。
「前世」「わたしとわたしではない女」
の2作が特に好きです^^
当たり前なんですけれど、
自分ひとりの命は幾千万もの奇跡の末に生まれたものなんだなって。
この二つは文章の雰囲気はすごく重くて灰色とか影をイメージしてしまいますが、
なんだか読後は救われた気分になるので不思議です。
毎日を必死に過ごしていると、
命を背負って生きているということを忘れてしまいがちです。
でもそのことを時々でも思い出し、
プレッシャーを感じることも大切なんだろうなって思います。
テーマが重いからこそ美しい文章が生まれるのですね。