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海堂 尊
角川グループパブリッシング
(2008-11-22)
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海堂 尊
角川グループパブリッシング
(2008-11-22)
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死を司る者と生を司る者、勝つのはどちらだ?
『螺鈿迷宮』 海堂尊
話は東城大学病院を離れ、桜宮市に古くから君臨する碧翠院桜宮病院が舞台。
なんでも東城大医学部の母体となった病院とか。
この話のテーマは終末医療と死。
人はどのような形で死に導かれるのが理想なのか。
最後の最後まで延命治療を行うべきか、
死なせたいという患者を助けるべきなのか。
尊厳死や自殺幇助にもつながる話が展開されていきます。
死をまとう空気にはある種の清潔さが漂うとか。
確かにそうなのかもしれない。
チューブにつながれ、機会に取り囲まれた状態で生きながらえても、
そこに透明な清潔感を感じることは難しいのかもしれない。
私がこの小説を読んで確かに感じたことは
、‘死‘に関しては、それこそ個人の感覚がものをいう領域だと思うので、
この本の中で書かれている桜宮病院のレディ・リリィを善悪で語ることはできないということだけでした。