満足なんて、まだしたくない。
『ダブル・ファンタジー』 村山由佳
脚本家として力はあるのに、夫の束縛から逃れられずにいた主人公。
むしろ束縛されていることに何も疑問を持っていなかったみたい。
私には主人公の奈津がただの浮気性に見えてどうしようもなかったです…。
文章は読みやすいし、テーマも面白いです。
が、どうしても奈津を好きになれないまま読み終わってしまいました。
自由であることがさみしいと奈津はいうけれど、
それは当たり前であって。
煩わしい人間関係を流れるままにしたらそれは自由に決まってるし、
その自由を望むのならさみしいなんていってはいけない。
たぶん、
私には奈津にリアリティを感じられないんだろうな。
奈津の周りの人間関係はひどくドライだからかもしれないですね。
そして大人の関係がそういうものであるとしたら、
私はそれを現実だと認めたくはないんでしょう。