忘れても、また思い出そう。
『その日のまえに』 重松清
恥ずかしながら、人生初・重松清さんです…^^;
いやー泣きました!もう号泣!
死を見つめる短編集なんですけど、
登場人物が死ぬ瞬間が書かれているのは、
「その日」だけ。
あとは、まだ生きている時間だったり、
もう亡くなってしまった人を通して‘死‘というものに向き合っている物語です。
私は基本的に動物ものと人が死ぬ話に弱くてすぐ泣いちゃうんですけど、
この本の中の物語では、まだ生きているにも関わらず、
すぐに胸がぎゅってなって、涙腺崩壊。
この本を読んで初めて、
‘その日‘に向けて準備する切なさ、つらさ、苦しさを知りましたね…
私は、たった一人の神様なんていないと思います。
昔の日本では(日本に限ったことではないですが…)7歳くらいまでの子どもは、
まだ神様のような存在で、人間ではなかったそうです。
現代日本人からすれば、それは医療が未発達で、
子どもの死亡率が高かったために慰みで大人たちが考えたものだと思うかもしれませんね。
でも、昔の人は亡くなった子を本当に神様だと思ってたと思うんです。
だから人間になりきれず、亡くなった子供は、神様のとして祀られたそうです。
端的に言うと、お墓をたてないということなんですけど。
それはきっと大人にも言えることで、
死んでいくその過程は、やっぱり神様に戻る過程なのかもしれないですよね。
私たちは神様として生まれ、
人間として生き、
また神様に戻って死んでいくのかもしれないなーと
病気に侵された人間が透き通って見えたという表現の文を読んで思いました。